派遣会社とは?派遣の仕組みと種類、選び方をわかりやすく解説

派遣会社とは?派遣の仕組みと種類を解説

派遣会社(人材派遣会社)とは、働く人と雇用契約を結び、契約先の企業(派遣先)にその人を送り出して働いてもらう会社です。派遣で働く人の雇い主は派遣会社で、仕事の指示を出すのは派遣先という点が、正社員やアルバイトとの一番の違いです。

厚生労働省の集計では、派遣で働く人は約201万人(2025年6月1日現在)で、派遣会社登録ナビが派遣経験者1,005人に行った調査では、派遣会社を選ぶときに重視したことの1位は「求人数の多さ」(44.7%)でした。

派遣の仕組みを知りたい方は「派遣の仕組み」へ、働き方の違いを知りたい方は「派遣の種類」へ進んでください。

目次

派遣会社とは?雇い主として仕事を紹介し、給与を支払う会社

派遣会社とは、派遣で働く人の雇い主として、仕事の紹介、給与の支払い、社会保険の手続き、就業中の相談対応を行う会社です。人材派遣会社、派遣元とも呼ばれます。

正社員やアルバイトは、働く会社がそのまま雇い主です。派遣では、雇い主(派遣会社)と実際に働く場所(派遣先)が分かれています。

派遣会社は何をしてくれる?

派遣会社が派遣で働く人に対して行うことは、主に5つです。

派遣会社の役割内容
仕事の紹介希望の職種・勤務地・時給に合う派遣先を紹介する
雇用契約・給与の支払い雇用契約を結び、毎月の給与を支払う
社会保険・有給休暇条件を満たした人の社会保険の手続きをし、有給休暇を付与する
就業中の相談対応職場での困りごとや条件の相談を受け、派遣先と調整する
研修・キャリア相談PCスキルやビジネスマナーの研修、今後の働き方の相談を行う

派遣会社登録ナビの調査では、派遣会社選びで大事だったこととして「担当者の対応・相性」を挙げた人が、就業前の15.7%から就業後は24.4%に増えました(【派遣社員1,005人調査】派遣会社選びの実態と就業前後のギャップ・2026年2月実施)。

働き始めてからは、就業中の相談対応の質が満足度を左右します。

派遣会社への登録にお金はかかる?

大手派遣会社への登録は無料です。派遣で働く人が派遣会社に登録料や紹介料を払うことはなく、派遣会社の収入は派遣先から受け取る派遣料金です。

派遣の仕組みは?派遣社員・派遣会社・派遣先の3者の関係

派遣は、派遣社員・派遣会社(派遣元)・派遣先の3者で成り立つ働き方です。派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、派遣会社は派遣先と労働者派遣契約を結び、派遣社員は派遣先の指示を受けて働きます。

立場結ぶ契約主な役割
派遣社員派遣会社と雇用契約派遣先で働き、給与は派遣会社から受け取る
派遣会社(派遣元)派遣社員と雇用契約、派遣先と労働者派遣契約給与の支払い、社会保険、就業中の相談対応
派遣先派遣会社と労働者派遣契約派遣社員に仕事の指示を出し、派遣料金を派遣会社に支払う
派遣の仕組み

派遣の仕組みの図解は、日本人材派遣協会(JASSA)のサイトでも確認できます。

派遣で働くとき、相談先は派遣先と派遣会社のどちら?

派遣社員が給与、勤務時間、契約更新、職場の困りごとを相談する相手は、派遣会社の担当者です。派遣先が出すのは日々の仕事の指示で、給与や契約の条件を決めるのは雇い主である派遣会社です。

派遣の給料はどこから支払われる?マージンとは

派遣社員の給料は、派遣会社から支払われます。派遣先が派遣会社に派遣料金を支払い、派遣会社はその中から派遣社員の給与を支払います。

派遣料金と派遣社員の給与の差額をマージンと呼びます。マージンには、派遣会社が負担する社会保険料、有給休暇の費用、教育訓練の費用、営業担当者の人件費などの運営費が含まれ、全額が派遣会社の利益になるわけではありません。

派遣会社には、マージン率などをインターネットなどで公開することが労働者派遣法で義務づけられています。派遣会社ごとのマージン率は派遣会社のマージン率比較で確認できます。

派遣は同じ職場で何年働ける?

登録型派遣で働く人が同じ派遣先の同じ組織単位(課などを想定)で働けるのは、原則3年までです。

派遣会社と無期雇用契約を結んでいる人や60歳以上の人などは、この期間制限の対象外です(厚生労働省・都道府県労働局のリーフレット)。

派遣社員とは?正社員・パート・アルバイトとの違い

派遣社員とは、派遣会社に雇われ、派遣先の企業で働く人のことです。正社員・パート・アルバイトとの違いは雇い主で、正社員・パート・アルバイトは働く会社に直接雇われ、派遣社員は派遣会社に雇われます。

項目派遣社員(登録型)正社員パート・アルバイト
雇い主派遣会社働く会社働く会社
仕事の指示派遣先働く会社働く会社
雇用契約の期間派遣期間ごと定めなし有期・無期の両方がある
給与時給制が中心月給制が中心時給制が中心
同じ職場で働ける期間原則3年まで制限なし制限なし
仕事の探し方派遣会社に登録して紹介を受ける求人に応募し選考を受ける求人に応募し面接を受ける

派遣社員にボーナスはある?

登録型派遣の派遣社員には、正社員のような賞与が支給されないことが一般的です。ただし、2020年4月から派遣社員にも同一労働同一賃金の考え方が適用され、多くの派遣会社が採用する労使協定方式では、賞与を含む一般労働者の平均的な賃金と同等以上になるよう派遣社員の賃金を決めることになっています(厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について」)。

賞与として別に払われない場合でも、その分が時給に含まれる形です。

派遣の種類は?登録型派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の違い

派遣の働き方には、登録型派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の3種類があります。違いは、派遣会社との雇用契約の期間と、派遣先での直接雇用を前提にしているかどうかです。

項目登録型派遣紹介予定派遣無期雇用派遣
派遣会社との雇用契約派遣期間ごと派遣期間ごと期間の定めなし
派遣期間原則3年まで最長6か月3年の制限なし
派遣期間の後契約終了か更新派遣先と合意すれば直接雇用派遣会社に雇用されたまま次の派遣先へ
仕事の選び方自分で求人を選ぶ自分で求人を選ぶ派遣会社が配属先を決める
始め方派遣会社に登録派遣会社に登録し求人に応募派遣会社の採用選考を受ける

登録型派遣とは?

登録型派遣とは、派遣会社に登録しておき、派遣先が決まったときに派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方です。派遣で働く人の多くはこの形で、派遣期間が終わると雇用契約も終わります。勤務地、勤務時間、職種を自分で選べる一方、次の派遣先が決まるまでの間は収入がなくなります。

紹介予定派遣とは?

紹介予定派遣とは、最長6か月の派遣期間のあと、派遣社員と派遣先の双方が合意すれば、派遣先に直接雇用(正社員・契約社員)される働き方です。

派遣期間の上限が6か月なのは、厚生労働省の指針で、紹介予定派遣では同じ派遣労働者を6か月を超えて派遣してはならないと定められているためです(派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針 第2の15、派遣先が講ずべき措置に関する指針 第2の18)。三者が合意すれば、6か月より早く直接雇用に切り替えることもできます。

出典:厚生労働省「紹介予定派遣とは」

無期雇用派遣とは?

無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣会社の社員として派遣先で働く働き方です。常用型派遣と呼ばれることもあります。

月給制が中心で3年の期間制限の対象外になる一方、配属先は派遣会社が決め、始めるには派遣会社の採用選考に通る必要があります。無期雇用派遣の給与やデメリットは無期雇用派遣とは?正社員との違いとデメリットで解説しています。

派遣会社にはどんな種類がある?

派遣会社は、扱う求人の幅と地域によって、大手総合型・外資系・職種特化型・地域密着型の4つに分けられます。

種類主な特徴向いている人
大手総合型事務・製造・販売など幅広い職種の求人を全国で扱う派遣が初めての人、職種を決めきれていない人
外資系外資系企業や語学を使う仕事の求人がある英語など語学を仕事で使いたい人
職種特化型エンジニア・製造・医療など特定の職種の求人を扱う就きたい職種が決まっている人
地域密着型特定の地域の企業の求人を扱う地元の企業で働きたい人

大手総合型の派遣会社とは?

大手総合型の派遣会社とは、スタッフサービス、パソナ、リクルートスタッフィングのように、幅広い職種の求人を全国で扱う派遣会社です。

求人の数と職種の幅が広いため、派遣が初めてで職種を決めきれていない人は、大手総合型の派遣会社から比べると希望に合う求人を見つけやすくなります。

外資系の派遣会社とは?

外資系の派遣会社とは、アデコ、マンパワーグループ、ランスタッドのように、海外に本社を持つ派遣会社です。外資系企業の求人や、英語などの語学を使う仕事の求人を多く扱っています。

職種特化型の派遣会社とは?

職種特化型の派遣会社とは、スタッフサービス・エンジニアリング(エンジニア)やテクノサービス(製造)のように、特定の職種の求人を中心に扱う派遣会社です。

担当者がその職種の仕事内容に詳しく、就きたい職種が決まっている人に向いています。求人の総数は大手総合型より少なくなります。

地域密着型の派遣会社とは?

地域密着型の派遣会社とは、特定の地域に本社を置き、その地域の企業の求人を中心に扱う派遣会社です。大手が扱っていない地元企業の求人がある一方、研修や福利厚生の内容は会社によって差があるため、登録前に確認します。

派遣会社はどう選べばいい?

派遣会社選びに誰にでも当てはまる正解はありませんが、派遣会社登録ナビでは、求人数、口コミ・評判、目的別の求人への対応力、実際に仕事が決まるまでの対応(就業実現力)の4つの基準で比べることをおすすめています。

派遣会社登録ナビの調査では、派遣会社を選ぶときに重視したことの上位は「求人数の多さ」(44.7%)と「時給・交通費などの条件面」(44.5%)でした。

就業後には「担当者の対応・相性」の重要性を実感する人が増えるため、求人数と条件だけでなく、担当者の連絡の速さや説明のわかりやすさも比べると良いでしょう。選び方の手順は派遣会社の選び方で、登録を避けたい派遣会社の見分け方は登録してはいけない派遣会社の見分け方で解説しています。

4つの基準で派遣会社を比べた結果は、派遣会社おすすめランキング(編集部の総合判断)にまとめています。派遣が初めての人は、派遣が初めての人におすすめの派遣会社も比べてください。

派遣で働くメリット・デメリットは?

派遣で働くメリットは、勤務地・勤務時間・職種を選んで働けることと、派遣会社の担当者に仕事探しや職場の相談ができることです。デメリットは、登録型派遣では契約が更新されなければ仕事と収入がなくなることと、同じ職場で働ける期間が原則3年までであることです。

派遣会社登録ナビの調査では、派遣で働く目的の1位は「生活費の補填・つなぎのため」(57.1%)で、「短期間での収入確保のため」(20.5%)、「柔軟な働き方の実現のため」(16.5%)が続きました。今の生活に合わせて働き方を選びたい人にとっては、派遣のメリットが大きくなります。

雇用の安定を重視する人は無期雇用派遣、派遣先の正社員を目指す人は紹介予定派遣というように、派遣の種類で選ぶ方法もあります。

よくある質問

派遣会社とハローワークの違いは?

派遣会社は、自社で雇用契約を結ぶ派遣の仕事を紹介し、就業中の相談対応も行います。ハローワークは国の機関で、企業に直接雇用される正社員・パートなどの求人を中心に紹介します。

違いは派遣会社とハローワークの違いで比べています。

派遣会社は何社登録してもいい?

派遣会社には何社登録しても問題ありません。派遣会社登録ナビの調査では、派遣で働くまでに2社以上に登録した人は51.5%で、理由の1位は「求人の選択肢を確保するため」(33.2%)でした。

登録社数の目安は派遣会社の複数登録は何社がベスト?で解説しています。

派遣でも社会保険に入れる?

派遣社員も、加入条件を満たせば派遣会社を通じて健康保険と厚生年金に加入します。加入のタイミングは派遣の社会保険はいつから?で、健康保険の加入先と保険証の扱いは派遣の健康保険と保険証はどうなる?で解説しています。

派遣先が変わると、雇い主も変わる?

派遣先が変わっても、同じ派遣会社で働き続ける限り雇い主は変わりません。社会保険も、同じ派遣会社で就業を続けていれば継続します。

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