無期雇用派遣とは?正社員との違いとデメリット、「やめとけ」の理由

無期雇用派遣とは?正社員との違い

無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣会社の社員として派遣先で働く働き方です。

月給制で賞与を用意している会社が多い一方、配属先を自分で選べないため、事務未経験から月給制で経験を積みたい人には候補になり、勤務日数や職場を自分で選びたい人には登録型派遣のほうが合います。

厚生労働省の集計では、無期雇用派遣で働く人は874,747人で派遣労働者全体の約4割を占め(2025年6月1日現在)、派遣会社登録ナビが派遣経験者1,005人に行った調査では、派遣で働く目的に「柔軟な働き方の実現」を挙げた人が16.5%いました。

正社員との違いを知りたい方は「正社員・登録型派遣との違い」へ、月給やボーナスを知りたい方は「給料・ボーナスの目安」へ進んでください。

目次

無期雇用派遣とは?派遣会社と期間の定めなく雇用契約を結ぶ働き方

無期雇用派遣とは、派遣会社の採用選考に通った時点で期間の定めのない雇用契約を結び、派遣会社が決めた派遣先で働く働き方です。派遣先との契約が終わっても派遣会社との雇用は続き、派遣会社が次の派遣先を用意します。

登録型派遣(有期雇用派遣)は、仕事が決まった時点で派遣会社と雇用契約を結び、派遣先での契約期間が終わると雇用契約も終わります。雇い主が派遣会社で、働く場所が派遣先という関係は、無期雇用派遣と登録型派遣で変わりません。

無期雇用派遣で働いている人は何人いる?

無期雇用派遣で働く人は874,747人で、前年から7.0%増えています(2025年6月1日現在)。派遣労働者全体の約4割が無期雇用派遣です。

区分人数(2025年6月1日現在)対前年比
派遣労働者数(合計)約201万人5.0%増
無期雇用派遣労働者874,747人7.0%増
有期雇用派遣労働者1,134,347人3.5%増

出典:厚生労働省「労働者派遣事業の事業報告の集計結果について」(令和7年6月1日現在の状況・速報)

無期雇用派遣なら同じ職場で3年を超えて働ける?

無期雇用派遣の人は、同じ職場で3年を超えて働くことができます。派遣には、同じ派遣先の同じ組織単位(課などを想定)で働けるのは原則3年まで、という期間制限がありますが、派遣元で無期雇用されている派遣社員と60歳以上の派遣社員は対象外です(厚生労働省・都道府県労働局のリーフレット)。

実際に同じ職場で働き続けられるかは、派遣先と派遣会社の契約が続くかどうかで決まります。

無期雇用派遣になるにはどうすればいい?

無期雇用派遣になる方法は、派遣会社の無期雇用派遣の募集に応募する方法と、無期転換ルールを使う方法の2つです。

募集に応募する場合は、スタッフサービスの「ミラエール」やアデコの「キャリアシード」のように、名前をつけて募集しているサービスに申し込みます。登録型派遣の登録面談とは違い、書類選考・適性検査・面接などの採用選考があります。

無期転換ルールは、同じ派遣会社との有期契約が更新されて通算5年を超えたとき、本人が申し込むことで無期雇用に転換できる仕組みです(労働契約法第18条)。

2024年4月からは、無期転換を申し込める更新のタイミングごとに、その旨を労働条件通知書などで明示することが会社に義務づけられました(厚生労働省「無期転換ポータルサイト」)。

無期転換後の労働条件は、別段の定めがない限り直前の有期契約と同じです。無期転換した人が時給制のまま契約期間だけなくなるケースもあり、募集型の無期雇用派遣と同じ月給制・賞与ありになるとは限りません。

無期雇用派遣と正社員・登録型派遣・契約社員・パートの違いは?

無期雇用派遣と正社員の一番の違いは雇い主です。正社員は働く会社に直接雇われますが、無期雇用派遣の雇い主は派遣会社で、働く場所は派遣先です。

登録型派遣との違いは雇用契約の期間で、無期雇用派遣は期間の定めがなく、登録型派遣は派遣期間ごとの契約です。

項目無期雇用派遣登録型派遣(有期雇用派遣)正社員(直接雇用)
雇い主派遣会社派遣会社働く会社
働く場所派遣先派遣先自社
雇用契約の期間定めなし派遣期間ごと定めなし
給与月給制が中心時給制が中心月給制が中心
賞与用意している会社が多い原則なし会社の制度による
仕事の決まり方派遣会社が配属先を決める自分で求人を選ぶ会社の人事異動に従う
同じ職場で働ける期間3年の制限なし原則3年まで制限なし
採用の流れ書類・適性検査・面接など登録面談・職場見学書類・面接など
派遣先の仕事が終わったとき雇用が続き次の派遣先へ雇用契約も終了該当なし

求人の「正社員(無期雇用派遣)」はどういう意味?

「正社員(無期雇用派遣)」「地域限定正社員」という求人の表記は、派遣会社の社員として期間の定めなく雇われるという意味です。無期雇用派遣の人が派遣先の正社員になるわけではありません。

派遣先から見ると、無期雇用派遣の人は派遣会社から来ている外部の社員です。給与や評価、昇給を決めるのは派遣会社で、派遣先の社員と同じ昇進の仕組みには入りません。

派遣先で直接雇用されることを目指すなら、最初から直接雇用を前提にした紹介予定派遣のほうが目的に合う場合があります。紹介予定派遣の仕組みと注意点は紹介予定派遣の評判と注意点で解説しています。

契約社員・パートとは何が違う?

契約社員とパートは、働く会社に直接雇われる点で無期雇用派遣と違います。契約社員は期間を決めて雇われ、更新のたびに契約を続けるかどうかが決まります。パートは勤務時間の短い働き方で、契約期間には有期と無期の両方があります。

無期雇用派遣の募集はフルタイム勤務が中心で、短時間勤務を希望する人は、パートや登録型派遣の短時間求人を探す方が見つけやすくなります。

無期雇用派遣の給料はいくら?月給・時給換算・ボーナスの目安

無期雇用派遣の月給は、事務未経験から応募できる大手のサービスで、東京・首都圏採用の場合21万円前後からが目安です。多くのサービスが賞与と昇給の制度を募集要項に明記しています。

サービス名(派遣会社)主な対象月給(東京・首都圏)賞与
ミラエール(スタッフサービス)事務未経験から応募可21万円〜(東京地区の例)あり
キャリアシード・エル(アデコ)事務未経験から応募可21.2万円〜(東京)あり
キャリアシード(アデコ)事務の実務経験者22.8万〜28.2万円(東京23区)あり
マイナビキャリレーション(マイナビワークス)事務未経験から応募可21万円〜(首都圏)年2回

出典:スタッフサービス「ミラエール」募集要項、アデコ「キャリアシード・エル」、アデコ「キャリアシード」、マイナビワークス「マイナビキャリレーション」

無期雇用派遣の月給は採用地域で変わります。たとえばマイナビキャリレーションの月給は、首都圏の21万円〜に対し、福岡・佐賀では17.6万円〜です(公式サイト)。

無期雇用派遣の月給を時給に換算するといくら?

無期雇用派遣の月給21万円を月160時間で割ると、1時間あたり約1,300円です(残業代・賞与は含まない)。無期雇用派遣と登録型派遣の収入を比べるときは、時給だけでなく、賞与、交通費、祝日の多い月でも月給が変わらない点まで含めて比べます。

無期雇用派遣でボーナス(賞与)は出る?

大手の無期雇用派遣では、賞与を募集要項に明記しているサービスが多くあります。マイナビキャリレーションは賞与年2回、ミラエールとアデコのキャリアシードは「賞与あり」「賞与支給」としています。支給額は募集要項に書かれていないことが多いため、説明会や面接で確認します。

無期雇用派遣で昇給はある?

大手の無期雇用派遣には昇給の制度があります。ミラエールは月給にクラス給が含まれ、マイナビキャリレーションとアデコのキャリアシードは募集要項に「昇給あり」「昇給制度あり」と記載しています(各社公式サイト)。昇給額や評価の基準は会社ごとに違います。

ミラエール(スタッフサービスの無期雇用派遣)

ミラエールは、スタッフサービスの社員として入社し、研修と面談を経て事務職で働きたい人に向いている無期雇用派遣のサービスです。月給は東京地区の例で21万円〜(基本給・地域手当・クラス給)、賞与があり、就業場所は自宅から90分以内の通勤場所とされています。

ミラエールでは約11,300人が働いています(ミラエール公式サイト・2025年11月現在)。ミラエールの口コミや配属先の決まり方は、ミラエールの評判で詳しく確認できます。

無期雇用派遣のメリットは?

無期雇用派遣のメリットは、派遣先の契約が終わっても雇用が続くことと、月給制で毎月の収入を見通せることです。事務未経験から事務職の経験を積む手段にもなります。

派遣先の契約が終わったら、収入はどうなる?

無期雇用派遣では、派遣先の契約が終わっても派遣会社との雇用が続くため、収入は止まりません。登録型派遣は派遣先の契約が終わると雇用契約も終わり、次の仕事が決まるまで収入がなくなります。

派遣先の都合で契約が打ち切られる「派遣切り」の仕組みは、派遣切りとは?原因と対策で解説しています。

ただし、派遣先が決まらない待機期間に満額の月給が出るかどうかは会社の規定によります。会社の都合で仕事がない期間は、休業手当(平均賃金の60%以上、労働基準法第26条)の支払いになることもあります。

月給制だと何が変わる?

無期雇用派遣は月給制が中心のため、年末年始やゴールデンウィークのように休みの多い月でも、月の収入が大きく変わりません。登録型派遣は時給制が中心で、稼働日数が少ない月は手取りが減ります。

事務未経験でも無期雇用派遣で働ける?

事務未経験の人を対象にした無期雇用派遣のサービスがあります。ミラエール、アデコのキャリアシード・エル、マイナビキャリレーションは、いずれも事務未経験から応募できるとしています。ミラエールは、入社後に研修と面談を経てから派遣先に配属する仕組みです(各社公式サイト)。

登録型派遣の事務求人は事務経験を条件にするものが多いため、販売・接客・保育など別の仕事から事務職に移りたい人は、無期雇用派遣を入り口にする方法があります。

交通費は支給される?

大手の無期雇用派遣では、交通費を月給とは別に支給するサービスがあります。マイナビキャリレーションは交通費を月3万円まで支給、アデコのキャリアシードは交通費全額支給としています(各社公式サイト)。

無期雇用派遣のデメリットは?

無期雇用派遣のデメリットは、配属先を自分で選べないこと、採用選考があること、勤務日数や休む時期を自分で決める自由がなくなることです。事務経験のある人は、時給換算で登録型派遣より収入が低くなる場合もあります。

無期雇用派遣は派遣先を選べる?

無期雇用派遣では、配属先を決めるのは派遣会社です。希望職種や通勤範囲は伝えられますが、登録型派遣のように求人を見て自分で応募先を選ぶ形ではありません。

ミラエールの募集要項では、就業場所は「自宅から90分以内の通勤場所」とされています。

通勤時間や職場の雰囲気を重視する人は、配属先の決め方と、提案された派遣先を断れるかどうかを応募前に確認します。

無期雇用派遣の選考では何がある?

無期雇用派遣の選考は、派遣会社に社員として採用されるための選考で、書類選考・適性検査・面接などがあります。

登録型派遣は登録面談のあと求人に応募する流れで、派遣会社に登録すること自体に選考はありません。選考の内容はサービスごとに違うため、募集要項の選考フローで確認します。

週3日勤務や長期休みは取れる?

無期雇用派遣はフルタイム・週5日勤務が基本で、週3日だけ働く、契約の合間に長めの休みを取る、といった働き方はできません。派遣会社登録ナビの調査では、派遣で働く目的に「柔軟な働き方の実現」を挙げた人が16.5%いました(【派遣社員1,005人調査】派遣会社選びの実態と就業前後のギャップ・2026年2月実施)。

勤務日数や時期を自分で調整したい人にとって、無期雇用派遣の働き方は正社員に近くなります。

事務経験者は無期雇用派遣だと損をする?

事務の実務経験がある人は、無期雇用派遣の月給を時給に換算すると、登録型派遣で選べる時給の高い求人より収入が低くなることがあります。無期雇用派遣の月給は、待機期間の雇用や研修の費用を派遣会社が負担する前提で決まっているためです。

事務経験者は、アデコのキャリアシードのような経験者向けのコースがあるかを確認します。

派遣先が合わないときはどうなる?

無期雇用派遣には契約満了がないため、派遣先が合わないときは、担当者に相談して配置替えを求めるか、派遣会社を退職するかのどちらかになります。登録型派遣のように契約を更新せずに区切る方法はありません。配置替えが希望どおりに進むとは限りません。

無期雇用派遣から派遣先の正社員になれる?

無期雇用派遣から派遣先の正社員になれるかどうかは、派遣会社の方針によります。派遣先から直接雇用の声がかかったときの扱いは会社ごとに違うため、将来は派遣先の社員になりたい人は、応募前に方針を確認します。

無期雇用派遣は「やめとけ」と言われるのはなぜ?

無期雇用派遣が「やめとけ」と言われるのは、雇用は続くのに正社員ほどの安定はなく、登録型派遣のような自由もなくなるためです。ただし、事務未経験から月給制で経験を積みたい人にとっては、無期雇用派遣は現実的な候補になります。

「やめとけ」と言われる理由は3つあります。

1つ目は、派遣先の都合で職場が変わることがあり、正社員ほどの安定はない一方で、仕事や勤務日数を選ぶ自由もなくなることです。

2つ目は、求人に「正社員」と書かれていても、働く職場では派遣社員として扱われることです。「正社員」とあるのは派遣会社の正社員という意味で、配属先の会社の社員になるわけではありません。

そのため、配属先の社員と同じように昇進したり、配属先の人事評価で給与が上がったりすることはありません。「正社員」という表記から想像した働き方と違ったと感じる人がいます。

3つ目は、事務経験のある人にとって、時給換算では登録型派遣を下回る場合があることです。

派遣会社登録ナビ編集部は、無期雇用派遣を「誰にでもすすめられる働き方」とも「避けるべき働き方」とも考えていません。勤務日数や職場を自分で選びたい人、事務経験が十分ある人には、登録型派遣や正社員転職のほうが合う場合が多いと考えています。

無期雇用派遣が向いている人・向かない人は?

無期雇用派遣が向いているのは、事務未経験から月給制で経験を積みたい人や、派遣先の契約が終わるたびに仕事を探し直すことに不安がある人です。向かないのは、勤務日数や職場を自分で選びたい人です。

無期雇用派遣が向いている人

  • 販売・接客・保育など事務以外の仕事から、事務職に移りたい人
  • 時給制ではなく月給制で、毎月の収入を安定させたい人
  • 派遣先の契約終了のたびに仕事を探し直すことに不安がある人
  • 同じ職場で3年を超えて働き続けたい人
  • 配属先を派遣会社に任せても構わない人

無期雇用派遣が向かない人

  • 週3日勤務や短時間勤務など、働く日数・時間を自分で決めたい人
  • 通勤時間や職場を自分で選んで決めたい人
  • 事務の実務経験が十分あり、登録型派遣で時給の高い求人を選べる人
  • 派遣先の正社員になることが目的の人(紹介予定派遣や正社員転職のほうが目的に合う場合がある)

無期雇用派遣に応募する前に何を確認すればいい?

無期雇用派遣に応募する前に確認するのは、待機期間の給与、配属先の決め方、賞与・昇給、研修、直接雇用の方針、無期転換した場合の条件の6項目です。同じ無期雇用派遣でも、会社ごとにこの6項目の中身が違います。

確認すること見るポイント
待機期間の給与月給が満額出るのか、休業手当になるのか
配属先の決め方通勤時間の上限、希望職種の扱い、提案を断れるか
賞与・昇給支給回数、評価の仕組み、昇給の実績
研修研修期間中の給与、受講できる講座の範囲
直接雇用の方針派遣先から声がかかった場合の扱い
無期転換した場合の条件転換後も時給制のままか、月給制に変わるのか

無期雇用派遣で働くなら、どの派遣会社を比べればいい?

無期雇用派遣で働くと決めた人は、ミラエール(スタッフサービス)、キャリアシード(アデコ)、マイナビキャリレーション(マイナビワークス)などのサービスを、研修・配属の決め方・給与で比べて選びます。

サービスごとの比較は無期雇用派遣のおすすめ派遣会社を比較するにまとめています。

サービスごとの評判は、ミラエール(スタッフサービスの無期雇用派遣)の評判、アデコ「キャリアシード」の評判、マイナビキャリレーションの評判、ファンタブルの評判で確認できます。

派遣先の正社員になることが目的の人は、派遣から正社員になるためのおすすめ派遣会社も比べてください。

勤務日数や職場を自分で選びたい人は、登録型派遣で派遣会社を選びます。事務の求人数で比べるならスタッフサービスが候補で、特徴はスタッフサービスの評判と特徴で確認できます。

どの派遣会社に登録するか迷う人は、求人数・口コミ評判・目的別対応力・就業実現力の4つの基準で比べた派遣会社おすすめランキング(編集部の総合判断)から選んでください。

よくある質問

無期雇用派遣は正社員ですか?

無期雇用派遣は、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結ぶ働き方で、求人では「正社員(無期雇用派遣)」と表記されることがあります。

雇い主は派遣会社で、働く場所は派遣先のため、派遣先の正社員ではありません。

無期雇用派遣は辞められますか?

無期雇用派遣は辞められます。期間の定めのない雇用契約のため、一般の会社員と同じように退職を申し出て辞めます。退職を申し出る時期は就業規則で決まっていることが多いため、担当者に早めに相談します。

無期雇用派遣でパート勤務はできますか?

大手の無期雇用派遣の募集はフルタイム勤務が中心です。短時間で働きたい人は、パートや登録型派遣の短時間求人を探すほうが見つけやすくなります。

登録型派遣で5年働くと、自動的に無期雇用派遣になりますか?

登録型派遣で5年働いても、自動的には無期雇用派遣になりません。同じ派遣会社との有期契約が通算5年を超えたあと、本人が申し込むことで無期雇用に転換できます。

転換後の給与形態や待遇は、別段の定めがない限り直前の契約と同じです。

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