ハローワークと派遣会社の違いは?派遣求人の扱いとどっちがいいかを整理

ハローワークと派遣会社の違い

ハローワークと派遣会社は、どちらも仕事を紹介してくれる場所です。ただし雇用契約を結ぶ相手が違うため、働き方も、仕事が決まるまでの流れも変わります。

もうひとつ、意外と知られていないことがあります。ハローワークの求人にも「有期雇用派遣」「無期雇用派遣」という区分があり、派遣の求人自体は載っています。

ただし派遣会社に登録して仕事があるときだけ契約を結ぶ、いわゆる登録型派遣は、ハローワークではほとんど扱われていません。

この記事では、厚生労働省の公開情報をもとに両者の違いを整理したうえで、派遣社員1,005人への調査結果から、どちらを選ぶかの判断材料をまとめます。

目次

ハローワークと派遣会社の違いは「誰と雇用契約を結ぶか」

いちばん大きな違いは、雇用契約を結ぶ相手です。

ハローワークは国が設置した職業紹介の機関で、正式名称を公共職業安定所といいます。求人を紹介するところまでが役割で、採用が決まったあとは、求職者と就業先の企業が直接雇用契約を結びます。ハローワークが雇用主になることはありません。

派遣会社は民間企業で、労働者派遣法にもとづき都道府県労働局の許可を受けて事業を行っています。派遣で働く場合、雇用契約を結ぶ相手は派遣会社です。給与も派遣会社から支払われます。実際に働く場所は派遣先の企業ですが、そこと雇用契約を結ぶわけではありません。

項目ハローワーク派遣会社
運営国(厚生労働省)民間企業(労働局の許可制)
雇用契約の相手就業先の企業派遣会社
給与の支払元就業先の企業派遣会社
指揮命令を受ける相手就業先の企業派遣先の企業
利用料金無料無料

派遣の仕組みそのものについては、派遣会社とは?仕組み・種類・選び方を初心者向けにわかりやすく解説で詳しく説明しています。

ハローワークにも派遣求人はある

「派遣で働きたいならハローワークは関係ない」と思われがちですが、そうとは限りません。

厚生労働省のハローワークインターネットサービスが公開している求人票の見方によると、求人の雇用形態欄には次の区分が表示されます。

求人区分雇用形態欄の表示
フルタイム正社員/正社員以外/有期雇用派遣/無期雇用派遣
パートタイムパート労働者/有期雇用派遣パート/無期雇用派遣パート

出典:厚生労働省「ハローワークインターネットサービス 求人情報の見方」(2026年9月確認)

有期雇用派遣は期間を定めて雇用される派遣労働者、無期雇用派遣は期間を定めずに雇用される派遣労働者を指します。つまり、ハローワークの検索結果に派遣の求人が混ざっていることは普通にあります。

無期雇用派遣という働き方については、無期雇用派遣とは?有期雇用や正社員との違い、メリット・デメリットを徹底解説で整理しています。

登録型派遣はほぼ扱っていない

同じ厚生労働省の説明では、派遣会社に登録しておき、仕事があるときだけ雇用契約を結んで派遣先で働くいわゆる登録型派遣について、ハローワークではすでに派遣先が決まっている場合のみ取り扱うとされています。

派遣というと多くの人がイメージするのは、この登録型です。事務、コールセンター、軽作業、単発の仕事などは、ほとんどがこの形で募集されています。そしてその求人は、ハローワークではなく各派遣会社の求人サイトに集まっています。

登録型の派遣で働きたい場合は、ハローワークを見るより、派遣会社に登録したほうが早いということになります。

「ハローワーク=正社員」ではない

ハローワークは正社員求人を扱う場所、という理解も正確ではありません。

前述のとおり、ハローワークの求人には正社員以外(契約社員、準社員、嘱託など)やパート労働者、派遣の区分が含まれます。求人票の説明にも、フルタイム求人であっても正社員とは限らないという注記が入っています。

フルタイムかパートタイムかは就業時間の長さで分かれるもので、雇用形態とは別の区分です。

統計にもこの傾向が出ています。

指標(令和8年7月・季節調整値)倍率
有効求人倍率1.18倍
正社員有効求人倍率1.00倍

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)について」

求人全体では求職者1人あたり1.18件の求人がある一方、正社員に限ると1.00件まで下がります。ハローワークの求人が正社員だけで構成されているわけではないことがわかります。

ハローワークと派遣、使い勝手の差が出る4つのポイント

雇用期間

ハローワーク経由で正社員として採用されれば、期間の定めのない雇用になります。ただし紹介される求人には契約社員やパートも含まれるため、ハローワークを使ったから無期雇用になるわけではありません。

派遣の場合、登録型は3ヶ月や6ヶ月といった単位で契約を更新していく有期雇用が中心です。一方で無期雇用派遣という選択肢もあり、こちらは派遣会社と期間の定めなく雇用契約を結びます。

求人の探し方と件数

ハローワークは掲載が無料なので、資金に余裕のない中小企業の求人も集まります。求人数の規模では派遣会社1社が保有する件数を大きく上回りますが、その中には応募条件が厳しいものや、情報が更新されていないものも混ざります。

求人件数が多いことがそのまま選択肢を広げることにはなりません。

一方、派遣会社の求人は、職種や勤務地、時給といった条件で絞り込みやすい形で整理されています。各社が独自に開拓した求人を持っているため、どの派遣会社に登録するかで見える求人が変わります。

サポート

ハローワークでは、窓口での職業相談、応募書類の添削、職業訓練(ハロートレーニング)の案内が受けられます。ただし就業後のフォローは基本的にありません。

派遣会社では、担当者が希望をヒアリングして求人を紹介し、就業後も契約更新や職場での困りごとの相談窓口になります。この就業後の関わりが、ハローワークとの実質的な差になる部分です。

収入

派遣は時給制が中心で、同じ仕事内容ならパートやアルバイトより時給が高く設定されている傾向があります。一方で賞与や退職金は原則ありません。

正社員として採用された場合と年収ベースで比べると、どちらが有利かは職種や勤続年数によって変わります。

ハローワークが向いている場合

  • 正社員として腰を据えて働きたい
  • 地元の中小企業も含めて幅広く見たい
  • 職業訓練を受けてから仕事を探したい
  • 失業給付の手続きと並行して仕事を探している
  • 窓口で相談しながら進めたい

失業給付の手続きについては、退職後の給付金活用術!失業手当、補助金を詳しく知ろうにまとめています。

派遣会社が向いている場合

  • 期間や勤務日数を自分の都合に合わせたい
  • 単発や短期で働きたい
  • 未経験の職種に挑戦したい
  • 大手企業のオフィスで働いてみたい
  • 就業後も相談できる相手がほしい

単発や短期の仕事を探している場合は、単発バイトでおすすめの派遣会社ランキング5選、派遣が初めての場合は派遣で初めての方におすすめ派遣会社ランキング5選も参考にしてください。

1,005人調査からわかった、派遣会社を選ぶときの見落とし

派遣会社を使う方向で考えている場合、次に決めるのは「どの派遣会社に登録するか」です。ここで何を基準にすべきか、派遣会社登録ナビが実施した調査から整理します。

直近2年以内に派遣会社へ登録し、実際に就業した20〜50代の男女1,005人を対象にした調査です。

選ぶ段階と働いたあとで、重視する点が変わる

項目就業前に重視就業後に重要だったと実感
時給・交通費などの条件面44.5%37.3%
求人数の多さ44.7%31.0%
担当者の対応・相性15.7%24.4%
職場情報の詳しさ—19.1%

出典:株式会社cielo azul「派遣会社選びの実態と就業前後のギャップ」に関する調査(2026年2月、n=1,005、上位3つまで選択可)

担当者の対応・相性を重要と答えた人は、就業前の15.7%から就業後は24.4%に増えています。職場情報の詳しさも、就業前には上位に入らなかったにもかかわらず、働き始めると19.1%が挙げています。

条件面と求人数は公開情報で比べられるので、登録前に目が向きやすいです。

一方で担当者の対応や職場情報の質は、働き始めてからでないと本当のところは分かりません。面談の段階で判断できるのは、連絡の速さや説明の具体性といった一部にとどまります。

面談では、職場の人数や残業の実績、前任者がいた場合の交代理由まで具体的に聞くと、答えられるかどうかである程度わかってきます。

満足度は74.2%、不満は求人紹介と説明に集中

利用した派遣会社への満足度は、とても満足17.0%とやや満足57.2%を合わせて74.2%でした。

一方で経験した困りごとを聞くと、就業前の求人紹介が少ない・希望に合う求人が来ないが17.6%で最多、次いで就業後に想像していた仕事内容とのギャップが16.0%、就業前の連絡が遅い・進捗が分からないが13.2%となっています。

出典:株式会社cielo azul「派遣会社選びの実態と就業前後のギャップ」に関する調査(2026年2月、n=1,005、上位2つまで選択可)

不満の上位は、時給や勤務地といった条件そのものではなく、紹介力と説明の丁寧さに関するものです。求人数の多い会社を選んでも、自分に合う求人が回ってこなければ意味がありません。

短期希望なら求人数、中長期なら比較を優先

就業期間の希望によって、決め手が変わることもわかりました。

最終的な決め手全体1日〜数日以内の希望層
時給・交通費などの条件面22.2%14.6%
求人数の多さ21.1%32.4%

出典:株式会社cielo azul「派遣会社選びの実態と就業前後のギャップ」に関する調査(2026年2月、n=1,005)

全体では条件面が決め手の1位でしたが、1日から数日の超短期を希望する層では求人数が32.4%で上回りました。短い仕事を探すほど、待遇の比較より「そもそも案件に出会えるか」が優先されています。

複数登録は半数、ただし増やせばいいわけではない

就業までに登録した派遣会社の数は、1社が48.5%、2社以上が51.5%でほぼ半々でした。複数登録した理由は求人の選択肢を確保するためが33.2%で最多です。

ただし4社以上に登録した層では満足度が65.0%となり、全体の74.2%を下回りました。登録社数が多いこと自体が不満の原因とは言い切れませんが、闇雲に増やせば納得のいく就業に近づくわけではないことは読み取れます。

何社に登録すべきかは、派遣会社の複数登録は何社がベスト?1,005人調査でわかった目安と注意点で詳しく整理しています。調査結果の全体は【派遣社員1,005人調査】派遣会社選び、就業後に「担当者対応の重要性」を実感で公開しています。

両方使う場合の進め方

ハローワークと派遣会社は、どちらか一方しか使えないものではありません。併用するなら、次のような組み合わせが考えられます。

  • 失業給付を受けながら正社員を探し、決まるまでのつなぎとして派遣で働く
  • ハローワークで職業訓練を受け、身につけたスキルを活かせる派遣求人を探す
  • 派遣で実務経験を積んでから、ハローワークで正社員求人に応募する
  • 紹介予定派遣を使い、派遣期間を経てから直接雇用に切り替える

紹介予定派遣という選択肢については、紹介予定派遣は厳しいしやめとけ?評判でおすすめしない実態迫るで実態を整理しています。

なお、失業給付を受給しながら派遣で働く場合は、働いた日数や収入によって給付の取り扱いが変わります。登録や就業の前に、管轄のハローワークで確認してください。

よくある質問

ハローワークで派遣会社を紹介してもらえますか?

派遣会社そのものを紹介する窓口ではありませんが、派遣会社が求人者としてハローワークに出している「有期雇用派遣」「無期雇用派遣」の求人には応募できます。

ただしその場合も、すでに派遣先が決まっている案件が中心です。

ハローワークの求人に派遣が混ざっているか、どう見分けますか?

求人票の仕事内容欄にある雇用形態の表示を確認してください。「有期雇用派遣」「無期雇用派遣」「有期雇用派遣パート」「無期雇用派遣パート」と書かれていれば派遣です。

派遣会社に登録すると失業保険はもらえなくなりますか?

登録しただけでは受給資格に影響しません。影響するのは実際に働いた場合で、働いた日数や賃金額に応じて支給の扱いが変わります。

詳しくは退職後の給付金活用術と、管轄のハローワークで確認してください。

ハローワークと派遣会社、両方に登録してもいいですか?

問題ありません。求職活動の方法を制限する決まりはないため、両方を並行して使う人もいます。

まとめ

  • 雇用契約を結ぶ相手が違う。ハローワークは就業先と直接、派遣は派遣会社と結ぶ
  • ハローワークにも有期・無期の派遣求人はあるが、登録型派遣は派遣先が決まっている場合のみの扱い
  • ハローワークの求人は正社員だけではない。正社員有効求人倍率は1.00倍で、全体の1.18倍を下回る
  • 正社員として長く働きたいならハローワーク、期間や働き方を調整したいなら派遣会社という分け方が考えやすい
  • 派遣会社を使うなら、条件面や求人数だけでなく、担当者の対応と職場情報の詳しさまで確認しておく

派遣で進めると決めたあとは、どの派遣会社に登録するかで結果が変わります。1,005人調査の結果と求人数、口コミ、目的別の対応力をもとに、編集部が各社を総合評価したページを用意しています。

比較の結果を確認した上で判断したい方は、派遣会社おすすめランキング【2026年最新】1,005人調査で編集部が総合比較をご覧ください。

登録先を1社に絞るなら、求人数と目的別の対応力で編集部評価が最も高いのはスタッフサービスです。事務から製造、コールセンターまで扱う分野が広く、初めての派遣でも紹介を受けやすい体制があります。

選び方そのものを確認しておきたい場合は、派遣会社の選び方|初心者が失敗しない5つのポイントと登録のコツも参考にしてください。

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