
派遣の仕事が決まらないと言っても、その中身は人によって違います。そもそも求人を紹介してもらえない人、応募はできているのに社内選考で見送りが続く人、職場見学まで進んで断られる人。この3つは、やるべきことがそれぞれ違います。
当サイトが派遣社員1,005人に行った調査でも、就業前に経験した困りごとの1位は「求人紹介が少ない/希望に合う求人が来ない」で17.6%、3位は「連絡が遅い・進捗が分からない」で13.2%でした。仕事が決まらない状況は、本人の経歴だけが理由とはかぎりません。
この記事では、決まらない状況を段階別に分けた対策と、20代から50代までの年代ごとの動き方を整理します。
仕事が決まらないのは、紹介・社内選考・職場見学のどれか
まず、自分がどの段階にいるかを確認します。
| 段階 | 状況 | 主な原因 |
|---|---|---|
| ①紹介されない | 登録したのに求人の連絡が来ない | 登録情報が古い、希望条件が絞られすぎている |
| ②社内選考が通らない | 応募しても面談まで進まない | 経歴の書き方、応募者が集中している求人 |
| ③職場見学で落ちる | 面談・職場見学まで行って断られる | 派遣先の判断、面談での受け答え |
①は登録情報と応募の動き方、②は経歴の書き方、③は面談対策と再紹介の依頼が対策になります。順番に見ていきましょう。
求人を紹介されないときにやること
登録だけして待っている状態が一番動きません。派遣会社には毎日新しい登録者が入るため、更新の止まった登録情報は後回しになります。
登録情報を最新の状態にする
マイページの最終更新日は、担当者が紹介先を探すときに見る情報のひとつです。更新が数年前で止まっていると、今も仕事を探しているかどうかが伝わりません。
これは派遣会社自身が案内していることでもあります。スタッフサービスは、登録日または情報更新日から2年以上たっている登録スタッフに向けて、マイページの情報を更新するよう呼びかけています。
更新のない間に身についたスキルや経験、生活状況の変化を確認した上で、今の希望に合う仕事を紹介するという説明です。テンプスタッフも、職歴や資格に変更があったときにMYページで更新しておくと、自分に合う仕事が見つかる可能性が高まると案内しています。
出典:スタッフサービス「よくあるご質問」、テンプスタッフ「MYページでできること」
更新しておきたいのは次のところです。
- 就業可能な開始日(「即日」なのか「来月から」なのか)
- 直近の職歴と、そこで担当した業務の内容
- 取得した資格、使えるソフトとその操作範囲
- 連絡がつきやすい時間帯
- 登録のときに伝えた希望(勤務地の範囲、勤務日数、時給)に変わりがないか
内容を変えなくても、一度開いて保存し直すだけで最終更新日は新しくなります。
希望条件を担当者に具体的に伝える
担当者から連絡が来るのは、経歴と求人の条件がはっきり一致したときが中心です。登録情報に「事務職希望」とだけ書いてあると、絞り込む材料がないまま候補から外れます。
希望に近い求人が出ていないときは、「こういう条件の求人が出たら連絡してほしい」と担当者に伝えておきます。職種名だけでなく、勤務地の範囲、勤務開始時期、時給の下限まで添えると、候補が出たときに声がかかります。
自分で求人サイトから応募するときも、応募した求人を担当者が把握できる状態にしておくと、紹介される仕事の内容が希望に近づきます。
紹介そのものが長期間ない場合は、その派遣会社の求人構成が自分の希望と合っていない可能性もあります。事務職を探しているのに製造・軽作業が中心の会社に登録している、といったズレは起こります。派遣会社の選び方もあわせて確認してください。
社内選考が通らないときにやること
社内選考は、ひとつの求人に応募が集まったときに、派遣会社が派遣先へ紹介する人を絞り込む選考です。求職者からは判断の内容が見えないため、落ちた理由がわからないまま次に進むことになります。
人気の求人ほど応募が集まるため、ある程度は見送りが続きます。その上で、通過率を上げられる部分は登録情報の書き方にあります。
社内選考で見られているところ
派遣会社が確認しているのは、経歴の内容だけではありません。
- 求人が求める業務の経験があるか、近い業務を担当したことがあるか
- 就業開始日が求人の希望時期に合うか
- 勤務地・勤務日数・時給の希望が求人の条件に収まっているか
- 連絡が取りやすいか、返信が早いか
- 登録情報が最近更新されているか
このうち、開始日と連絡の取りやすさは経歴と関係なく整えられます。応募後は電話に出られる時間帯を担当者に伝えておくと、やりとりが早く進みます。
経歴は「何をしていたか」がわかるまで具体的に書く
一般事務、営業事務といった職種名だけでは、担当していた業務の範囲が伝わりません。使っていたソフトと、そこで何をしていたかまで書きます。
書き換え前: 一般事務として電話対応や書類作成を担当
書き換え後: 一般事務として、部内のデータ集計と資料作成を担当。Excel(VLOOKUP、INDEX/MATCH、ピボットテーブル)で月次の実績表を作成し、Accessのデータを加工して会議資料にまとめる業務を担当。電話対応は1日20件程度
経験していないことを書く必要はありません。実際に担当した業務を、読んだ人が働いている場面を思い浮かべられる程度まで具体的に書くと良いです。応募する求人に関係のある業務を先に書くと、担当者が確認しやすくなります。
社内選考の結果が遅い、連絡が来ないとき
1週間ほど連絡がなければ、応募した求人名を添えて進捗を確認して問題ありません。その上で、結果を待つ間も他の求人への応募は続けます。1件の結果を待つだけの状態が続くと、決まるまでの期間がそのぶん延びます。
なお、同じ求人に複数の派遣会社から応募すると、派遣先で応募が重複して両方とも見送りになることがあります。求人番号や勤務地・仕事内容が同じ場合は、どちらか1社に絞ってください。
職場見学・面談で落ちたときにやること
職場見学まで進んだということは、その派遣会社の社内選考は通過しています。担当者が派遣先へ推薦した1人だったということなので、次の求人も紹介してもらえる可能性が高い状態です。
落ちた直後に取る行動は2つあります。
- 職場見学まで進んだ派遣会社に、別の求人の紹介を依頼する
- その派遣会社が公開している求人から、自分でも続けて応募する
派遣先が応募者を選ぶ目的で面接を行うことは、労働者派遣法で認められていません。法律上は派遣先の努力義務という形ですが、派遣先が守るべき指針では禁止事項として明記され、違反すると行政指導の対象になります。
ただし職場見学や顔合わせという形で、実質的に選考に近いやりとりが行われる場面はあります。聞かれる内容と答え方は事前に想定しておいたほうが進めやすくなります。
出典:労働者派遣法第26条第6項(厚生労働省 法令等データベース)
当日の服装や質問の内容は派遣の職場見学での質問と服装、事前の準備は派遣の面談前にやるべきことで整理しています。
年代別の動き方
20代で決まらないとき
経歴が短いこと自体より、登録情報に書かれている内容が少ないことのほうが問題になります。前職が1年でも、担当した業務を具体的に書けば、担当者が判断できる材料になります。
あわせて、コールセンター、軽作業、事務アシスタントなど、未経験歓迎の記載がある求人まで応募先を広げると、選考に進む回数そのものが増えます。派遣が初めての人向けのおすすめ派遣会社も参考にしてください。
30代で決まらないとき
募集職種そのものの経験がなくても、近い業務を担当していたなら書き出しておきます。
コールセンターの求人であれば、「コールセンター経験なし」で終わらせず、前職の事務で1日何件の電話対応をしていたか、どういう内容の問い合わせを受けていたかまで書きます。
実際に担当していた範囲を正確に書くだけで、判断できる材料は増えます。経験していない業務を経験したように書くのは、就業後に本人が困ることになるため避けてください。
40代で決まらないとき
新しい登録先を増やす前に、過去に登録した派遣会社をもう一度あたってみてください。数年前に登録したきりでも、登録そのものは残っていることがあります。
スタッフサービスは公式のよくあるご質問で、3年ほど前に登録して情報更新をしていない人からの「紹介してもらうには再登録が必要か」という質問に答えています。再登録を求めるのではなく、まず登録オフィスへ問い合わせるよう案内する内容です。
やることは、登録情報を更新したうえで「また仕事を探している」と連絡することです。
あわせて、年齢層が高めの登録者にも求人を出している会社を候補に加えると応募先が広がります。中高年におすすめの派遣会社で整理しています。
50代で決まらないとき
応募する求人を増やすことと、条件の優先順位を決めることを同時に進めます。
- 登録情報を更新し、就業可能日を明確にする
- 応募する求人に合わせて、職歴に書いた業務内容と自己PRを書き直す
- 過去に就業した派遣会社に連絡する
- 登録している会社が1社なら、もう1〜2社を追加する
- 時給、勤務地、勤務日数のうち、譲れる条件を決める
- 短期・単発の求人で就業実績を作り、そこから長期の紹介につなげる
短期・単発は就業までの期間が短く、実績を作る入口になります。単発バイトでおすすめの派遣会社も候補になります。
登録している派遣会社が1社だけになっていないか
経歴や書き方を変えても、登録しているのが1社だけなら、応募先はその会社が持っている求人に限られます。
1,005人調査では、直近の就業までに登録した派遣会社は1社が48.5%、2社以上が51.5%でした。複数登録した理由の1位は「求人の選択肢を確保するため(33.2%)」、3位は「1社では紹介数不足のため(20.5%)」です。
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,005人調査では、直近の就業までに登録した派遣会社は1社が48.5%、2社以上が51.5%でした。複数登録した理由の1位は「求人の選択肢を確保するため(33.2%)」、3位は「1社では紹介数不足のため(20.5%)」です。
ただし、増やせば増やすほどよいわけではありません。同じ調査で、4社以上登録した層の満足度は65.0%で、全体の74.2%を下回りました。連絡のやりとりが増えて管理しきれなくなる面もあります。
2〜3社を目安に、求人の内容が重ならない会社を選ぶほうが進めやすくなります。詳しい目安は派遣会社の複数登録は何社がベストかで整理しています。
派遣会社を追加するときは、求人数と、登録から就業までの速さで選びます。編集部が求人数・口コミ・目的別求人への対応力・就業実現力の4つの基準で評価した結果は次のとおりです。
事務・オフィスワーク中心で応募先を増やしたい場合はスタッフサービス、製造・軽作業で早く就業したい場合はテクノサービスが候補になります。担当者に相談しながら決めたい場合はパソナが向きます。
登録先を増やすときは、行政処分を受けた会社や、契約内容の説明があいまいな会社を避けてください。判断の材料は登録してはいけない派遣会社の見分け方にまとめています。
決まらない期間が長引くときに見直すこと
応募を続けても進まない場合は、自分が求人を選ぶときの条件が実際の募集と合っていない可能性があります。時給、勤務地、勤務日数、職種のうち、譲れるものを1つ決めて条件を広げます。
- 時給を50円下げる
- 通勤時間の上限を15分延ばす
- 週5日を週4日以上に広げる、または逆に日数を増やす
- 職種を1つ増やす
すべてを緩める必要はありません。1つ広げるだけで、条件に合う求人の数が変わります。
生活費の面で期間に余裕がない場合は、長期の求人を待つより、短期・単発で就業しながら次を探す進め方もあります。1,005人調査では、派遣で働く目的の1位は「生活費の補填・つなぎのため(57.1%)」でした。まず収入を確保してから条件のよい仕事を探すのは、多くの人が取っている方法です。
派遣の仕事が決まらないときのよくある質問
決まらないときは、登録情報の更新と派遣会社の数から見直す
派遣の仕事が決まらないとき、原因は経歴だけにあるわけではありません。登録情報が古いままだったり、登録している会社の求人が自分の希望と合っていなかったりすることのほうが多くあります。
自分がどの段階にいるかを確認し、登録情報を更新し、登録する派遣会社を増やす。この3つを進めれば、選考に進む回数は変わります。
40代・50代の場合は、新しく派遣会社を増やす前に、過去に登録した派遣会社へ連絡することと、譲れる条件を1つ決めることから始めてください。
登録する派遣会社を追加する場合は、派遣会社おすすめランキングで、求人数・口コミ・目的別求人への対応力・就業実現力の4つの基準による評価を確認してください。
