派遣の時給相場【2026年最新】職種別・地域別の平均時給と時給が上がる条件

派遣の時給相場

派遣の時給が高いのか低いのかは、比べる相手を決めないと判断できません。求人サイトに出ている募集時の時給と、実際に支払われた賃金の統計では、数字の意味も水準も違います。

この記事では、厚生労働省の最新集計と求人データの両方から、派遣の時給相場を職種別・地域別に整理しました。あわせて、当サイトが派遣経験者1,005人に実施した調査から、派遣会社選びにおける時給の位置づけも整理しました。

目次

派遣の平均時給はいくらか

派遣の平均時給には、性格の違う2種類の数字があります。

ひとつは、実際に支払われた賃金の統計です。厚生労働省の「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、派遣労働者の賃金は1日8時間換算で16,735円(前年度比3.4%増)でした。時給に直すと約2,092円です。

もうひとつは、求人サイトに掲載された募集時の時給です。ディップの「2026年7月度 派遣求人 三大都市圏の平均時給」は1,680円。株式会社フロッグの2026年8月度レポートでは、全国の派遣平均時給は1,610円でした。

データの種類平均時給出典・時点
実支給賃金(8時間換算)賃金 16,735円(1日8時間換算/時給換算 約2,092円)厚生労働省・令和6年度
募集時時給(三大都市圏)1,680円ディップ・2026年7月度
募集時時給(全国)1,610円フロッグ・2026年8月度

出典:厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」(PDF)、ディップ「2026年7月度 派遣求人 三大都市圏の平均時給」、フロッグ「2026年8月度 派遣平均時給・求人数レポート」

400円以上の差がついているのは、数え方が違うためです。

厚生労働省の数字は、職種ごとの平均をさらに平均したものです。求人数の少ない薬剤師やITも、介護や事務と同じ重みで計算されるため、平均が高めに出ます。実際に支払われた賃金の集計なので、残業手当なども含まれています。

一方の募集時時給は、求人1件ずつの平均です。求人数の多い事務や軽作業の水準に引っ張られます。求人を見て応募する立場であれば、こちらのほうが実感に合います。

無期雇用と有期雇用で水準が違う

同じ厚生労働省の集計を雇用形態で分けると、差がはっきりします。

雇用形態8時間換算時給換算
無期雇用派遣17,181円約2,148円
有期雇用派遣14,407円約1,801円

出典:厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」(PDF)表7

登録して仕事ごとに契約する、いわゆる登録型派遣は有期雇用にあたります。求人を見て応募する一般的な派遣の水準は、こちらの約1,801円のほうが近いと考えてください。

職種別の派遣時給相場

厚生労働省の集計を職種別に見ると、同じ派遣でも職種によって2倍以上の開きがあります。以下は令和6年度の派遣労働者の賃金(8時間換算)を時給に換算したものです。

職種(日本標準職業分類)8時間換算時給換算
薬剤師25,965円約3,246円
建築・土木・測量技術者21,429円約2,679円
情報処理・通信技術者21,032円約2,629円
製造技術者17,724円約2,216円
営業職業従事者16,193円約2,024円
看護師15,913円約1,989円
デザイナー・映像撮影者など14,817円約1,852円
事務用機器操作員13,383円約1,673円
営業・販売事務従事者13,098円約1,637円
会計事務従事者12,719円約1,590円
自動車運転従事者12,555円約1,569円
一般事務従事者12,231円約1,529円
機械組立従事者11,942円約1,493円
社会福祉専門職業従事者11,593円約1,449円
製品製造・加工処理従事者11,406円約1,426円
商品販売従事者11,372円約1,422円
運搬従事者11,350円約1,419円
製品検査従事者11,345円約1,418円
接客・給仕職業従事者11,105円約1,388円
介護サービス職業従事者11,093円約1,387円

出典:厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」表7をもとに編集部で時給換算

募集中の求人ベースでは、三大都市圏の数字がディップの調査で公表されています。こちらは実際に応募できる求人の水準です。

職種区分平均時給(2026年7月)
IT・エンジニア系2,395円
WEB・クリエイター系1,937円
医療・介護・研究・教育系1,730円
事務・オフィス系1,640円
販売・営業・飲食・サービス系1,624円
工場・軽作業・物流・土木系1,451円

事務・オフィスワーク

三大都市圏の募集時平均は1,640円です。厚労省の実支給ベースの一般事務は約1,529円で、事務用機器操作員(データ入力・OA事務など)になると約1,673円まで上がります。

同じ「事務」でも、電話取次ぎと庶務が中心の一般事務と、Excelでの集計や資料作成を任される事務では扱いが変わります。事務で時給を上げるなら、職種名よりも任される作業の中身を見てください。

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製造・軽作業

募集時平均は1,451円で、6区分のなかで最も低い水準です。厚労省実支給ベースでも、製品製造・加工処理が約1,426円、製品検査が約1,418円と近い数字になります。

ただし製造技術者になると約2,216円で、現場作業とは800円近い差がつきます。同じ工場でも、ライン作業と技術職では別の相場だと考えたほうが実態に合います。

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介護・医療

厚労省の介護サービス職業従事者は約1,387円で、統計上は最も低い区分のひとつです。一方で看護師は約1,989円、薬剤師は約3,246円と大きく離れます。資格が時給に直結しやすい分野です。

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IT・エンジニア

募集時平均2,395円は、6区分で唯一2,000円を超えています。実支給ベースの情報処理・通信技術者も約2,629円です。

未経験から入れる求人は限られますが、時給の水準そのものは他の職種と別次元にあります。

会社ごとの比較はエンジニア・IT・WEB制作系に強い派遣会社ランキング、職種別の時給はネットワークエンジニアの年収と派遣の時給相場で扱っています。

地域別の派遣時給相場

エリアによる差も無視できません。ディップの2026年7月度調査では、次のようになっています。

エリア平均時給前年比
関東1,760円+35円
関西1,574円+55円
東海1,520円+54円

関東と東海で240円の差です。同じ事務職でも、東京と地方では相場そのものが違います。

これが2026年10月1日から12月2日にかけて順次改定され、全国加重平均1,177円に上がります。最も高い東京が1,280円、最も低い宮崎が1,085円です。発効日は都道府県ごとに違い、10月1日に切り替わるのは15都道府県だけなので、自分の勤務地がいつ上がるかは確認しておいてください。

出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」、厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」(2026年9月3日発表)

時給1,500円・1,600円・2,000円は相場より高いのか

具体的な金額が相場のどこに位置するのかを整理します。判断の基準は、職種と地域です。

時給1,500円の位置

三大都市圏の事務・オフィス系(1,640円)は下回りますが、工場・軽作業系(1,451円)は上回ります。地方であれば、事務職でも標準的な水準です。

首都圏で事務職の1,500円を提示されている場合は、相場より低めです。同じ条件の求人が他社にないか確認する価値があります。

時給1,600円の位置

三大都市圏の全職種平均(1,680円)にほぼ並びます。事務職なら平均圏、製造・軽作業なら高めの部類です。

時給1,700円の位置

三大都市圏の平均をわずかに上回ります。事務職としては条件のよい部類に入り、医療・介護・研究・教育系(1,730円)の平均と近い水準です。

時給2,000円の位置と、その求人の中身

事務職では明確に上位です。三大都市圏の事務・オフィス系平均を360円上回ります。一方でIT・エンジニア系の平均は2,395円なので、この分野では平均以下になります。

事務系で時給2,000円が提示される求人には、共通する条件があります。

  • Excelの関数やピボットテーブルを使ったデータ集計・加工
  • AccessやVBAを使ったデータ管理・処理の自動化
  • 英文メール対応や英語資料の読み書きを含む事務
  • 貿易事務、経理の月次決算、特許事務などの専門事務
  • 金融・製薬・外資系企業の本社部門での事務

いずれも、一般事務の延長ではなく専門性が求められる仕事です。単純な入力業務で2,000円が提示されることはほとんどありません。

なお、募集時の時給が高い求人ほど、求められるスキルの記載も具体的になります。求人票の「必須スキル」欄と時給はほぼ連動していると考えて差し支えありません。

時給から月収・年収を計算する

時給がわかったら、月収の目安を出しておくと生活設計がしやすくなります。1日8時間・月20日勤務(月160時間)で計算した額面は次のとおりです。

時給月収(額面)年収換算(額面)
1,400円224,000円2,688,000円
1,600円256,000円3,072,000円
1,800円288,000円3,456,000円
2,000円320,000円3,840,000円
2,400円384,000円4,608,000円

ここから健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税が引かれます。手取りは扶養家族の人数や加入している健康保険組合によって変わりますが、額面の8割前後を目安に見ておくとずれが小さくなります。

派遣は月の稼働日数が月によって変わる点にも注意が必要です。祝日の多い月や年末年始をはさむ月は、同じ時給でも手取りが数万円単位で下がります。

同じ仕事でも時給に差が出る理由

同じ職種・同じ地域でも、派遣会社によって提示される時給は違います。理由は3つあります。

派遣会社の取り分

派遣先が派遣会社に支払う派遣料金と、派遣スタッフに支払われる賃金の差が、派遣会社の取り分です。厚生労働省の令和6年度集計では、派遣料金の平均が8時間換算で26,257円、派遣労働者の賃金が16,735円でした。差額は9,522円で、比率にすると約36%になります。

また差額のすべてが利益ではなく、社会保険料の会社負担分、有給休暇の費用、教育訓練費、営業や担当者の人件費も含まれます。

派遣会社ごとの実際の数字は公開が義務づけられています。詳しくは派遣会社マージン率比較ランキングで整理しています。

賃金の決め方が2種類ある

同一労働同一賃金の制度上、派遣スタッフの待遇の決め方には労使協定方式と派遣先均等・均衡方式の2つがあります。大手派遣会社の多くは労使協定方式を採用しており、この場合は厚生労働省が示す職種別の一般賃金水準が下限になります。

同じ求人でも、どちらの方式を採る会社かによって時給の決まり方が変わります。

有期か無期か

前述のとおり、無期雇用派遣と有期雇用派遣では8時間換算で2,700円以上の差があります。同じ会社でも、契約の形が違えば水準が変わります。

派遣の時給を上げる方法

相場の位置がわかったうえで、時給を上げる手段は次の5つです。

職種を変える

最も効果が大きいのが職種の変更です。一般事務(約1,529円)から事務用機器操作(約1,673円)、製造現場(約1,426円)から製造技術(約2,216円)というように、隣接する職種に移るだけで数百円動きます。

スキルを追加する

事務職なら、Excelの関数とピボットテーブル、次いでAccessやVBAが時給に反映されやすいスキルです。介護・医療なら資格がそのまま水準を決めます。

自己PRの段階では、経験した業務を職種名で言い換えるだけでも扱いが変わります。売上データをExcelで管理していたのであれば「レジ業務」ではなく「売上管理業務」と書くほうが、実態に即した評価につながります。事実と違う内容を書く必要はありません。

勤務地を広げる

関東と東海で240円の差があるとおり、通勤範囲を1駅分広げるだけで求人の相場が変わることがあります。都心部の求人を検索対象に入れているかどうかは確認しておいてください。

派遣会社を変える、増やす

同じ派遣先の同じ仕事でも、経由する派遣会社によって時給が違うことがあります。1社だけを見て相場を判断すると、その会社の水準が相場だと思い込むことになります。

高時給の求人を多く扱う会社は派遣会社で高時給ランキング|時給が高い派遣会社はどこ?で整理しています。

契約更新のタイミングで交渉する

時給交渉ができるのは、基本的に契約更新のタイミングです。担当者に伝える際は、希望額だけでなく、更新後に担当する業務の範囲や、これまでに増えた作業を具体的に示すほうが話が進みます。

時給は「決め手」だが、満足度までは決めていない

当サイトが派遣経験者1,005人に実施した調査では、登録先を決めた最大の決め手の1位が「時給・交通費などの条件面」(22.2%)でした。時給が最後のひと押しになっています。

派遣会社選びで重視した項目|就業前と就業後

ただし、就業後に重要度が上がったのは「担当者の対応・相性」だけでした。比較しやすい条件は選ぶ段階で見られ、働き始めてからの納得感は担当者の対応で決まっています。また単発・短期を希望する層では、条件面(14.6%)より求人数(32.4%)が決め手になりました。

調査の詳細は派遣社員1,005人調査|派遣会社選びの実態と就業前後のギャップにまとめています。

派遣の時給に関するよくある質問

派遣の平均時給はいくらですか?

募集時の平均時給は、三大都市圏で1,680円、全国で1,610円です(2026年7〜8月時点)。実際に支払われた賃金の統計では、有期雇用派遣が8時間換算14,407円(時給約1,801円)でした。

派遣の時給はなぜアルバイトより高いのですか?

リクルートの2026年2月度調査では、三大都市圏の派遣が1,659円、アルバイト・パートが1,323円で、336円の差がありました。派遣は職務内容を限定した契約で、一定のスキルや経験を前提とする求人が多いことが背景にあります。なお、この調査は2026年2月分をもって終了しています。

交通費は時給に含まれますか?

会社と契約によって異なります。時給に含めて支給する会社と、時給とは別に実費または定額で支給する会社があります。時給が同じでも交通費が別支給かどうかで手取りは変わるので、求人票の記載を確認してください。

時給は働いている途中で上がりますか?

自動的に上がる仕組みはありません。契約更新のタイミングで、担当業務の範囲や責任が広がったことを根拠に見直しを相談する形が一般的です。

派遣の時給が最低賃金を下回ることはありますか?

ありません。派遣スタッフには派遣先の所在地の最低賃金が適用されます。2026年度の改定で全国加重平均は1,177円になり、2026年10月1日から順次発効します。

同じ派遣先なのに人によって時給が違うのはなぜですか?

経由している派遣会社が違う場合、派遣会社ごとの取り分や賃金の決め方が異なるためです。また、無期雇用か有期雇用か、担当する業務の範囲が違う場合もあります。

相場を知ったうえで、どの派遣会社を選ぶか

時給の相場は、職種と地域でほぼ決まります。事務なら三大都市圏で1,640円前後、製造・軽作業なら1,451円前後、IT・エンジニアなら2,395円前後が現在の水準です。この幅から大きく外れた求人には、外れるだけの理由があります。

そのうえで、同じ職種・同じ地域でも派遣会社によって提示される時給は違います。求人の数が多い会社ほど、条件のよい案件に当たる確率は上がります。

当サイトでは、求人数・口コミ・目的別対応力・就業実現力の4つの基準で各社を整理しています。どの会社から見るか迷っている場合は、派遣会社おすすめランキング【2026年最新】から確認してください。

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執筆者:Hidenori
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