派遣切りとは?7つの理由とむかつく体験談・されたときの対処法

派遣切りとは?7つの理由

告白します。私は派遣社員時代に3回、派遣切り(契約終了)を言い渡されました。当時は派遣切りにあってむかついていましたが、今思えば完全に私の実力不足でした。

私は20代のほとんどを派遣社員として過ごしました。その間、さまざまな派遣社員を見てきました。その中には仕事の出来に疑問符が付く人もいましたし、派遣先から契約終了を告げられて職場を去っていく人も見てきました。

この記事では「派遣切り=契約終了」について、私自身の体験と、傍で見てきた事例をもとに解説します。

派遣切りが起こる理由、私が理不尽に感じた出来事、そして実際に派遣切りにあったときにどう動けばいいかまでまとめました。

目次

派遣切りとは?2つの種類がある

派遣切りとは、派遣先の企業が派遣契約を打ち切ること、または契約が更新されずに派遣社員が職を失うことを指します。

法律上の用語ではなく、大きく2種類に分かれます。

雇止め(やといどめ)

契約期間の満了にあわせて、次の契約を更新しないケースです。正規の手続きを踏んだ契約終了であり、派遣切りの大半はこちらに当たります。

契約期間中の解除

契約期間の途中で一方的に契約を終了されるケースです。派遣先には契約期間中に自由に解除する権利はなく、正当な理由がなければ違法となる可能性があります。

この記事では、件数の多い雇止めを中心に解説します。契約期間中に突然打ち切られた場合は、この記事の後半で紹介する相談窓口に問い合わせてください。

派遣という働き方は、正社員と比べて自分から辞めやすい一方で、会社側からも契約を終了しやすい形態です。どんなに順調に仕事をこなしていても、急に通告されることがあります。他人事ではなく、誰にでも起こり得るものとして理解しておきましょう。

派遣切りの7つの理由

私が派遣社員時代に遭遇した派遣切りの理由は、次の7つです。私は派遣社員の立場で、傍観者として見ていました。ひとつずつ紹介していきます。

  • 欠勤が多いなど勤務態度に問題がある
  • コミュニケーションに問題がある
  • 業務遂行能力が要求水準に届かない
  • 人間関係のトラブル
  • 協調性がない
  • 会社側の都合
  • セクハラの被害にあった

欠勤が多いなど勤務態度に問題がある

派遣切りで一番多いのは勤務態度です。具体的には欠勤・遅刻が多い人です。私が遭遇した派遣切りの半分がこのケースでした。

完全に肌感覚ですが、月5回以上の当日欠勤や遅刻があると黄色信号です。月3回程度ならぎりぎり許容されている印象でした(もちろん、しないほうがいいです)。

勤務中の態度は解釈や感じ方で評価が変わります。しかし遅刻や欠勤は「当日欠勤3回」「30分遅刻」のように数字で明確に残るため、指導の対象になりやすいのです。

ただし、遅刻や欠勤が多いことが即座に契約終了につながるわけではありません。私が見てきた限り、次のような段階を踏みます。

  1. 遅刻や欠勤が月5回以上続く
  2. 派遣先の上司から口頭で注意
  3. 改善が見られない
  4. 派遣先の上司から2度目の口頭注意
  5. 改善が見られない
  6. 派遣会社の営業担当から注意
  7. 改善が見られない
  8. 文書による注意
  9. 改善が見られない
  10. 契約終了

このように、いきなり切られることはほとんどありません。改善の機会は何度か与えられます。

コミュニケーションに問題がある

これはレアケースです。私が遭遇したのは一度だけでした。理由は、コミュニケーションに不安のある人は面談の段階で見送られることが多いためです。

ここで言うコミュニケーションの問題とは、次の2つに分けられます。

  • 説明がこちらに伝わってこない
  • こちらの伝えたいことが伝わっているのか分からない

実際のケースでは、次のような出来事が繰り返されました。

  • そもそも声が小さい
  • 空返事が多い
  • 説明をしても内容が伝わってこない
  • 質問に対して見当違いの返事が返ってくる

こうした積み重ねによって能力に疑問符が付き、3か月で契約終了となりました。

業務遂行能力が要求水準に届かない

仕事ができないことを理由に契約終了となるケースです。印象的な出来事がありました。

ある職場に、AさんとBさんが同時期に入りました。Aさんは仕事熱心で、家でも業務の復習をしていました。勤務態度も真面目そのものです。しかし業務は何度教えても、なかなかできるようになりませんでした。

Bさんは完全にプライベート重視。仕事を家に持ち帰ることは一切せず、残業もよほどのことがない限り断っていました。派遣は自分の生活を充実させるための手段だと割り切っている人です。ただ、仕事はそこそこできました。

好対照な二人ですが、契約終了となったのはAさんでした。そばで見ていた私も、残念ながら納得でした。「Aさんに教え続けるより、新たに人を採用したほうが早い」という判断だったからです。

会社は利益を追求する組織です。努力の量ではなく、業務レベルが要求水準に達しているかどうかで判断されます。

事前にスキルの水準を確認しておく

このケースは、就業前の確認でかなり防げます。特にパソコンを使う事務系の仕事は要注意です。

募集要項には「エクセル初級程度」「中級程度」といったざっくりした表記が多いのですが、その範囲は会社によってまったく違います。「中級」と書かれていても、実際にはVLOOKUPやピボットテーブル、差し込み印刷、場合によってはマクロの修正まで求められることがあります。

職場見学や面談の際に、実際にどんな作業をするのかを具体的に聞いておきましょう。「表の作成」「関数」ではなく、「どの関数を使うか」「1日にどれくらいの量を処理するか」まで踏み込んで確認すると、就業後のギャップを防げます。

自信がない場合は、初級程度の求人から始めたほうが結果的にうまくいきます。

人間関係のトラブル

派遣先の上司と関係がこじれて契約終了になるケースです。派遣先の上司は、次のような視点で契約を継続するかどうかを判断します。

  • 派遣社員が職場に貢献しているか
  • 職場でうまく立ち回れているか
  • 能力に問題なく業務をこなせているか
  • その人が職場にとって必要か

しかし上司も人間です。派遣社員のことを嫌っていれば、判断に偏りが出ます。結果として「嫌い → 使えないと感じる → 契約終了」という流れが生まれます。実際、仕事はできたにもかかわらず上司と揉めて職場を去っていく人を何度も見ました。

協調性がない

協調性を理由に契約終了となるケースは、次の流れをたどることが多いです。

  1. 周りの社員と折り合いをつけられない
  2. 業務上で周囲の協力を得られなくなる
  3. 仕事が進まなくなる
  4. 契約終了

プライドが高く、ひとりで抱え込む人が陥りがちです。どれだけ個人の能力が高くても、周囲の協力を得られなければ仕事は進みません。

会社側の都合

派遣社員側に問題がなくても、会社の事情で契約が終わることがあります。

  • 会社の業績悪化
  • 部署そのものがなくなる
  • 拠点の統廃合
  • 派遣社員が担当していた業務を正社員が引き取る

特に製造業など、受注量によって作業量が変動する職種では、景気に応じて派遣社員の人数を調整している会社もあります。この場合、あなたに非はありません。

ただし、会社都合の契約終了では次の職場を紹介してもらえるケースもあります。派遣先企業や派遣会社が就業先を探してくれるためで、大手企業ほどこの傾向があります。

ここで効いてくるのが日ごろの勤務態度です。勤務態度に問題があった人はなかなか次を紹介してもらえません。反対に、誠実に働いていた人の多くは次の職場を紹介されていました。

期間満了による契約終了(3年ルール)

もうひとつ、制度上の理由による契約終了があります。

2015年に改正された労働者派遣法により、派遣社員が同じ会社の同じ課で働ける期間は原則3年までと定められました。これが「派遣の3年ルール」です。

3年に達すると、派遣先から直接雇用を打診されることもありますが、そうでない場合は新しい就業先を探すことになります。法律で定められた期間なので事前に見通しが立てられる点は、他の理由と大きく違います。

セクハラの被害にあった

私が遭遇した中で、最も理不尽な契約終了です。セクハラをされた側が契約終了の対象となってしまいました。

職場にいたA子さんが、主任のBさんからセクハラを受けていました。私は横で見ていました。具体的には次のような行為です。

  • 何度も食事に誘う
  • フリーアドレスのオフィスにもかかわらず常にA子さんの隣に座る
  • 業務時間外にA子さんへ電話やメールをする
  • 指導係でもないのにA子さんに指導する

これが日常的に続いていました。しかし加害者が主任であったため、周囲は見て見ぬふりでした。やんわりと注意する人はいましたが、状況は変わりませんでした。

A子さんは社内のモラルホットラインに相談しました。私はこれで改善されるだろうと思っていましたが、改善されませんでした。総務担当がBさんに注意しても状況は変わりません。

結果、二人を引き離すしかないという話になりました。私はBさんが異動になると思っていました。しかし会社が出した結論は、被害を受けたA子さん一人の契約終了でした。

会社側も気の毒に思ったのか次の職場を探し、グループ会社に声をかけて類似の業務を紹介しました。時給が上がったことがせめてもの救いです。

この対応は、本来あるべき形ではありません。被害を訴えた側が職場を離れる結果になれば、社内で声を上げる人はいなくなります。加害者の異動や処分で対応すべき事案でした。

派遣社員は、派遣先と直接の雇用関係がないため、社内の窓口だけでは動きが鈍いことがあります。派遣会社にも相談し、それでも解決しない場合は、この記事の後半で紹介する外部の相談窓口を使ってください。ひとりで抱え込む必要はありません。

派遣切りは自業自得ではない

自分のスキル不足が原因で契約終了になると、自分が悪かったのだと落ち込んでしまうことがあります。しかし、必要以上に気に病むことはありません。

まず、派遣切りの多くは企業側の都合で行われます。業績悪化も部署の統廃合も3年ルールも、派遣社員にはどうにもできません。

そして求められる水準に届かなかった場合も、その職場がたまたま合わなかっただけ、という見方ができます。むしろ、スキルが足りていない人を紹介した派遣会社の側にも責任があります。

派遣会社は登録時に面談やスキルチェックを行い、あなたの経験や適性を把握したうえで仕事を紹介します。派遣先にもどんな人材が必要かをヒアリングしています。それでも大きなずれが起きたのなら、見立てが甘かったということです。

ただし、例外もあります。次のような場合は、残念ながら自業自得と言われても仕方がありません。

  • 理由もなく遅刻や欠勤が多い
  • 仕事に真面目に取り組まない
  • 私語が多い
  • 挨拶などのやりとりを取らない

反対に、契約を継続してもらいやすい人の特徴は、その裏返しです。

  • 遅刻や欠勤、早退をしない
  • ミスを指摘されたら受け入れ、同じミスを繰り返さない
  • 仕事とプライベートの区別をつける
  • 周囲と必要なやりとりをする

当たり前のことばかりですが、これができている人は契約を切られません。

筆者が派遣切りにあった3つの体験談

私は3回、派遣切りに遭いました。今振り返ると、原因は100%私にあります。当時はむかついていましたが、いま思えば当然の結果でした。

体験談1|携帯ショップでの販売職

10年以上前、携帯ショップで働いていました。当時はスマートフォンが飛ぶように売れ、何もしなくても契約が取れる状態でした。

そのせいで自分の実力を勘違いし、あぐらをかいていました。売りやすい端末だけを売っていればいいと思っていたのです。しかし会社としては、別の商材も売ってほしいという方針でした。理解はしていましたが、それでも売りやすいものだけを売り続けました。

注意を受けても聞き流していました。結果、成績を残せない販売員として3か月で契約終了となりました。

体験談2|大手通信会社のネットワークエンジニア

大手通信会社でネットワークエンジニアをしていたときの話です。契約終了の理由は、完全にスキル不足でした。

業務は銀行向けネットワークの更改でした。エンジニアとして派遣されましたが、まったく業務についていけません。

  • 先輩社員の言っていることが分からない
  • 設定変更といった基本的な作業もできない
  • ビジネスメールも書けない
  • エクセルの使い方も怪しい

時給が2,400円だったため、要求される水準も高いものでした。ただ当時その職場は人手不足で、最低限の業務がこなせればいいという条件で私が派遣されたのです。しかし、その最低限のハードルすら超えられませんでした。

契約終了は派遣先の上司から直接伝えられました。「申し訳ないけれど今月で契約終了ということで」と言われ、その日はご厚意で昼に帰らせてもらいました。

体験談3|コンビニのストア業務

コンビニのスタッフとして派遣される仕事に応募したときの話です。2〜3日の研修を受けてから独り立ちする予定でした。

しかし研修でミスを連発しました。接客業が初めてで緊張し、ミスがミスを呼ぶ状態です。レジ打ちのミスや現金の過不足を出してしまいました。

結果、研修2日目で契約終了となりました。「これ以上、当社からお仕事を紹介できません」と言われてしまいました。

当時はすごくむかつきました。しかし振り返ってみると、申し訳ない限りです。

3つの体験に共通しているのは、求められる最低限の水準を超えられなかったことです。派遣社員には、仕事を作り出す力や積極的な姿勢はそこまで求められていません。言われた業務を誠実にこなすことが基本で、その水準はたいていの場合、努力すれば超えられます。

過去の自分には「当たり前のことを当たり前にこなせるようになれ」と伝えたいです。

派遣切りされたらどうする?

実際に契約終了を告げられたあと、何をすべきかをまとめます。

納得がいかない場合は相談窓口へ

不当な契約終了だと感じた場合、ひとりで派遣先や派遣会社に申し立てると話し合いが長引き、精神的にも経済的にも負担が大きくなります。外部の相談窓口を利用してください。

契約期間の途中で打ち切られた場合、勝手に自己都合退職として処理された場合なども、これらの窓口で相談できます。

失業保険はいつから受給できる?

派遣切りで職を失った場合も失業保険(雇用保険の基本手当)を受給できます。受給を開始できる時期は、離職理由によって変わります。

会社都合で離職した場合

契約が更新されずに離職した場合、多くは会社都合の扱いとなります。この場合は給付制限がなく、7日間の待期期間が満了すれば給付が始まります。

自己都合で離職した場合

待期期間の7日間に加えて、給付制限期間が設けられます。厚生労働省によると、この期間は退職日が2025年(令和7年)4月1日以降であれば原則1か月、2025年3月31日以前であれば原則2か月です。以前は原則3か月だったため、2度にわたって短縮されたことになります。

ただし例外があります。退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職して受給資格決定を受けている場合、給付制限は3か月となります。また、自分の重大な過失により解雇された場合も3か月です。

出典:厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」

なお2025年4月からは、離職期間中や離職日前1年以内に一定の教育訓練を受けた場合、自己都合退職でも給付制限が解除される仕組みができました。次の仕事に向けて講座の受講を考えている方は、ハローワークで対象になるか確認してみてください。

離職票が届かない場合

自分がどちらの扱いになるかは、離職票に記載された離職理由で決まります。必ず内容を確認してください。

離職票が届かない場合は、派遣会社に連絡しましょう。事業主には離職に伴う手続きを行う義務があり、数日経っても届かない場合は催促して問題ありません。

受給には雇用保険の加入期間などの条件もあります。制度は改正されることがあるため、実際の手続きや金額は必ず最寄りのハローワークで確認してください。

次の仕事を探す

気持ちの整理がついたら、次の仕事を探します。ここで考えたいのが、同じ派遣会社を使い続けるかどうかです。

業績不振や部署の統廃合など、明らかに会社都合で契約が終了した場合は、同じ派遣会社に次を探してもらって問題ありません。むしろ対応の良い派遣会社ほど、素早く次を紹介してくれます。

一方、スキルの水準が合わずに契約終了となった場合は、別の派遣会社も検討してみてください。派遣先へのヒアリングや適性の見極めが十分でなかった可能性があるためです。同じ担当者に任せていると、同じことが繰り返されるかもしれません。

働きやすい職場に出会えるかどうかは、派遣会社と担当者の質に大きく左右されます。担当者は仕事の紹介から就業中の相談、契約終了まで一貫して関わる相手です。

派遣という働き方そのものを見直したい場合は、紹介予定派遣という選択肢もあります。一定期間派遣として働いたあと、双方が合意すれば直接雇用に切り替わる仕組みです。

まとめ

派遣切りの理由と、実際にされたときの対処法を解説しました。

派遣切りには、自分の側に原因があるものと、会社の都合によるものがあります。前者は日ごろの勤務態度と、就業前のスキル確認でかなり防げます。後者は防ぎようがありませんが、日ごろ誠実に働いていれば次の職場を紹介してもらえる可能性が高くなります。

私は3度、派遣切りに遭いました。当時は仕事を完全になめていたと思います。この記事は、20代の自分に向けて書いたものでもあります。不本意な契約終了をひとつでも減らすきっかけになれば幸いです。

もし派遣会社の対応に不満が残ったなら、次の登録先を検討するタイミングかもしれません。派遣会社おすすめランキングもあわせてご確認ください。

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