派遣会社のマージン率一覧|大手9社の最新公開データと平均相場【2026年】

派遣会社のマージン率一覧

派遣会社のマージン率は、労働者派遣法により事業所ごとの公開が義務づけられています。ただ、公開されている数値をそのまま並べても、事業所や対象年度が揃っていなければ会社どうしの比較にはなりません。

このページでは、大手派遣会社が公式に公開している最新の数値と、厚生労働省が2026年3月に公表した全国集計をもとに、マージン率の相場を整理しました。

あわせて、マージン率が低い会社を選べば得をするのか、という点も公的データから確認します。

目次

派遣会社のマージン率とは

マージン率は、派遣先企業が派遣会社に支払う派遣料金のうち、派遣スタッフの賃金として支払われない部分の割合です。

計算式は労働者派遣法施行規則で定められています。

マージン率(%)=(派遣料金の平均額 − 派遣労働者の賃金の平均額)÷ 派遣料金の平均額 × 100

派遣先が1日(8時間)あたり20,000円を派遣会社に支払い、派遣スタッフの賃金が14,000円だった場合、マージン率は30.0%になります。

(20,000 − 14,000)÷ 20,000 × 100 = 30.0%

派遣料金・賃金とも「1人1日8時間あたりの平均額」で計算します。時給や月給ではなく日額換算である点が、各社の公開資料を読むときの前提になります。

マージン率の公開が義務づけられている理由

2012年10月施行の改正労働者派遣法により、派遣元事業主にはマージン率の情報提供が義務づけられました(労働者派遣法第23条第5項)。2021年4月からは、インターネットでの公開が原則とされています。

公開単位は会社単位ではなく事業所単位です。同じ派遣会社でも、新宿の事業所と札幌の事業所ではマージン率が異なります。取り扱う職種の構成や賃金水準が事業所ごとに違うためです。

参考:マージン率等の情報提供について|厚生労働省

派遣会社のマージン率一覧【大手9社】

大手派遣会社が公開している最新の実績です。各社とも東京の主要事業所を対象にしています。

派遣会社対象事業所対象期間派遣料金(1日8時間)賃金(1日8時間)マージン率
アデコ本社(千代田区霞が関)2024年1月〜12月20,852円15,019円28.0%
テクノ・サービス東京営業所(豊島区東池袋)2025年度20,396円14,514円28.8%
ランスタッド新宿事業所2025年度23,411円16,408円29.9%
パーソルテンプスタッフ新宿オフィス2025年度21,864円15,272円30.2%
スタッフサービス新宿第一オフィス2025年度27,301円18,982円30.5%
マンパワーグループ日本橋第一オフィス2025年22,912円15,824円30.9%
リクルートスタッフィング本社(千代田区有楽町)2025年度22,799円15,584円31.6%
パソナパソナ本部2024年度27,104円18,269円32.6%
綜合キャリアオプション首都圏本部(新宿区)2025年度20,682円13,764円33.5%

出典(各社公式):

この表を読むときの注意点が3つあります。

  • 対象事業所が変われば数値も変わります。
  • 各社で対象期間の区切りが異なります。4月〜3月の会社もあれば、1月〜12月の会社もあります
  • 派遣料金には残業・深夜・休日の割増分や交通費が含まれる会社があり、算入範囲が完全に同一ではありません

9社の幅は28.0%から33.5%で、差は5ポイントほどです。会社間の差が2〜3ポイントであれば、事業所や職種構成の違いで説明がつく範囲になります。

もう1点、マージン率だけを見ていると気づきにくい部分があります。賃金の平均額に目を移すと、スタッフサービス新宿第一オフィスが18,982円、パソナ本部が18,269円と、他社より3,000円以上高くなっています。

この2社はエンジニアやメディカル分野を同じ事業所に含めて集計しているためです。職種による差は、このあとの「職種別のマージン率」で整理しています。

派遣業界のマージン率の平均相場

厚生労働省が2026年3月31日に公表した「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、全国の全業務平均は次のとおりです。

項目令和6年度(2024年度)令和5年度(2023年度)
派遣料金(1日8時間・平均)26,257円25,337円
派遣労働者の賃金(1日8時間・平均)16,735円16,190円
上記から算出したマージン率36.3%36.1%

出典:令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)|厚生労働省(2026年3月31日公表)

同資料の注記によると、ここでの派遣料金は消費税を含む額です。

職種別のマージン率

同じ集計結果から、主要な職種の令和6年度の数値を算出しました。

職種派遣料金賃金マージン率
情報処理・通信技術者34,382円21,032円38.8%
一般事務従事者18,112円12,231円32.5%
製品製造・加工処理従事者16,883円11,406円32.4%
介護サービス職業従事者16,282円11,093円31.9%

出典:令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)|厚生労働省(表6・表7より編集部が算出)

職種によって6ポイントほどの開きがあります。エンジニア系の求人を多く扱う派遣会社と、事務系が中心の派遣会社では、会社の姿勢とは無関係にマージン率の平均値が変わります。

マージンに含まれる費用の内訳

一般社団法人日本人材派遣協会が公開している派遣料金の構造は次のとおりです。

費目割合
派遣社員の賃金70.0%
社会保険料10.9%
派遣社員の有給休暇費用4.2%
派遣会社の諸経費13.7%
営業利益1.2%

出典:データ(派遣料金の構造)|一般社団法人日本人材派遣協会

社会保険料は、派遣会社が雇用主として負担する労災保険・雇用保険・健康保険・介護保険・厚生年金保険の事業主負担分です。

有給休暇を取得したときの賃金は派遣先ではなく派遣会社が支払うため、その費用も見込みとしてマージンから拠出されます。

諸経費には健康診断費用、募集広告費、教育訓練費、営業担当者やコーディネーターの人件費、オフィスの賃料、システムの維持費などが含まれます。

派遣料金からこれらをすべて差し引いた残りが、派遣会社の営業利益にあたる1.2%です。

1日8時間の派遣料金が20,000円なら、派遣会社の手元に残るのは240円ほどということになります。経済産業省の企業活動基本調査における製造業3.4%、卸売業2.0%、小売業2.8%と比べても低い水準です。

マージン率が低い派遣会社を選べば得をするのか

マージン率が低ければ、同じ派遣料金でも自分の賃金が多くなる。この理解は半分だけ正しく、半分は成り立ちません。

上の内訳のとおり、マージンの大部分は社会保険料・有給休暇費用・教育訓練費・サポート体制の維持費です。マージン率を下げるということは、これらのどこかを削るか、営業利益を圧縮するかのどちらかになります。

そのため、マージン率が極端に低い会社では次のような状態が起きることがあります。

  • 教育訓練や資格取得支援の内容が限られる
  • 担当者一人あたりの担当スタッフ数が多く、就業後のフォローが手薄になる
  • 福利厚生の提携先が少ない
  • 派遣先の開拓力が弱く、そもそもの派遣料金の水準が低い

逆に、マージン率が高い会社が搾取しているとも言い切れません。サポートや研修に費用をかけている会社ほど、マージン率は高く出ます。

そもそもマージン率を見ても、自分の賃金がいくらになるかはわかりません。賃金は派遣料金からマージンを引いた額なので、率が低くても派遣料金そのものが低ければ、賃金は上がらないためです。

しかも派遣スタッフに示されるのは時給だけで、派遣先が派遣会社にいくら払っているかは知らされません。マージン率がわかっても、賃金を計算する材料が揃わないことになります。

マージン率に固執せず、提示された時給を確認する方が良いでしょう。

自分が登録する派遣会社のマージン率を調べる方法

事業所単位で公開されているため、自分が登録している(登録を検討している)事業所の数値を直接確認できます。

  1. 派遣会社の公式サイトで「情報公開」「マージン率」「労働者派遣事業の状況」といったページを開く
  2. 事業所の一覧から、自分が担当してもらう事業所を選ぶ
  3. 表示されたPDFまたはページで、派遣料金の平均額・賃金の平均額・マージン率を確認する

会社の公式サイトで見つからない場合は、厚生労働省の人材サービス総合サイトからも事業所ごとの情報を確認できます。

派遣会社選びでマージン率をどう扱うか

編集部としては、マージン率は派遣会社を選ぶ基準そのものにはならないと考えています。公開が義務づけられている数少ない数値であるため注目されやすいものの、事業所・職種・年度の条件を揃えなければ会社間の比較が成立しないためです。

実際に働くうえで大切なのは、希望する条件の求人がどれだけあるか、担当者が就業開始まで動いてくれるか、就業後に相談できる相手がいるか、といった部分です。マージン率は、候補が絞りきれなくなったときに参考として横に置く程度の位置づけが妥当です。

派遣会社ごとの求人数や評判、就業までの実績を含めて比較した結果は、派遣会社おすすめランキングにまとめています。

マージン率についてよくある質問

マージン率に法律上の上限はありますか

労働者派遣法にマージン率の上限を定めた規定はありません。法第23条第5項が義務づけているのは情報の公開であり、率そのものを規制するものではありません。

判断の目安になるのは、公表されている水準との比較です。厚生労働省の令和6年度集計では全国の全業務平均が36.3%(派遣料金は消費税込み)、この記事で確認した大手9社の東京の事業所では28.0%〜33.5%でした。

マージン率が50%を超える事業所もありますか

一般的な水準からは離れますが、公開単位が事業所である以上、そうした数値が出ることはあります。派遣労働者が数人しかいない事業所では、平均額が特定の契約に大きく左右されるためです。

上限規制がないため、それ自体が違法になるわけではありません。

気になる数値を見つけたときは、同じ資料に記載されている派遣労働者数と派遣先事業所数も合わせて確認すると、背景が見えてきます。

マージン率を一覧で確認できるサイトはありますか

厚生労働省の人材サービス総合サイトで、許可番号や会社名から事業所を検索できます。

ただし、掲載欄に自社の情報公開ページへのリンクだけを載せている会社もあります。その場合は、リンク先の公式ページで数値を確認することになります。

無期雇用派遣のマージン率は登録型と違いますか

公開は事業所単位で行われるため、雇用形態別の内訳は公表されていません。同じ事業所に登録型と無期雇用の派遣スタッフがいる場合、両方を合わせた平均額が掲載されます。

無期雇用派遣では就業していない期間にも賃金が発生し、その費用は就業中に得た派遣料金でまかなわれています。

マージン率は毎年変わりますか

派遣会社は事業報告書に基づいて毎年更新しています。対象期間は会社によって4月〜3月の場合と1月〜12月の場合があるため、数値を見るときは対象期間もあわせて確認してください。

派遣会社ごとの求人数や評判、就業までの実績を含めて比較した結果は、派遣会社おすすめランキングにまとめています。

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